ようやく完成しました。
椎名へきるさんの「風が吹く丘」を耳コピして初音ミクさんに歌ってもらいました。
まずはお聞きくださいませ。
イラストは雨音くるみ様のものをお借りいたしました。
動画はBlockworksさんに制作していただきました。
ありがとうございました。
原曲はこちらになります。
http://www.youtube.com/watch?v=AENQWpThpGg
ちなみに、この曲を打ち込むのは人生で二度目です。
たしか高1ぐらいの時にSC-88Proで耳コピしています。
当時のデータをニコニコへアップしてくださっている方がいらっしゃいますので、ご紹介します。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5568537
「風が吹く丘」はへきるさんの曲の中でも一番好きな曲で、15年ぐらい経った今でも、落ち込んだ時などにはこの曲を聞いて癒されております。
以下、大して面白くもない制作苦労話が延々と続きます。
はじめに
2月の終わり頃、
- Cubase6 (DAW)
- CUBASE6 実践音楽制作ガイド(書籍)
- ELECTRI6ITY (ギター音源)
- Superior Drummer 2.0 (生ドラム音源)
- 初音ミクアペンド
を購入しました。
Cubaseは中田ヤスタカさんが絶賛されていた頃からずっと気になっていたのですが、なかなか高価で手が出せずにいたところに、いろいろと欲求不満が溜まりまして思い切って買っちゃいました(^o^;
初音ミクも随分前に買ったものの結局1曲も打ち込んでおらず棚にしまいっぱなしでした。
ギター音源が使えてミクさんに歌ってもらえる曲を何か作りたいなと考えていた所、「『風が吹く丘』をもう一回作ろう!」となりました。
SC-88Proの頃と比べてDAWやソフトウェアシンセはかなり進化しているはずなので、どのぐらいパワーアップしたか勉強と腕試しも兼ねてワクワクしながら作り始めました。
Cubase6(すぐに6.5へアップデートしました)の動作環境はWindows7とあったのですが、Vistaでも動くという記事をちらほら見かけたのでVistaに入れて動かしました。一応問題なく動いているように見えます。
ただ、適当にHALion Sonic SE(マルチ音源)やSuperior Drummer 2.0などを立ち上げて遊んでいた所、ランタイムエラーが発生して落ちる(しかも5秒後ぐらいにブルースクリーンになるというおまけ付き)という現象が起きました。ネットで検索すると32bitOSでは1アプリにつき2GBまでしかメモリを利用できないため、メモリ不足に陥り、ランタイムエラーで落ちてしまうようです。Superior Drummer 2.0もELECTRI6ITYも1GB近くメモリを消費するので、困りましたorz
64bitOSの新マシンを買うことも考えましたがたが、ひとまず工夫して頑張ってみることにしました。
ギター・ボーカル以外のオケの打ち込み
付属のマルチ音源HALion Sonic SEでシンセやピアノ、ベースなどを打ち込みます。
ドラムはGroove Agent ONEへFLStudioの素材を突っ込んで使用しました。
(ベロシティによる鳴らし別けはできるようなのですが、レイヤが組めないみたいでFLStudioのFPCに比べてちょっと使いづらいですねこれ。)
ギターの打ち込み
いよいよELECTRI6ITYの登場です。先に書いたとおりこいつはメモリをバカみたいに食うのでオケをWAVEで書き出し、別プロジェクトにしてギタートラックを作成するようにしました。
ELECTRI6ITYのデモ動画とかを見ると結構凄いのですが、最初のうちは使い方がさっぱり解りませんでした。解説したサイトもさっぱり見かけませんし。クリプトンさんが付けてくれた日本語ガイドを読んでも専門用語ばかりで意味不明状態。仕方なく会社でギターを弾ける後輩をつかまえてあれこれ聞き出し、ようやく何となく用語が判るようになってきました。
それから試行錯誤しまして、DAWで扱う場合のおおまかな使い方は以下のような感じになると思います(実際は英語表記です)。
- [設定]-[キャリブレーション]で[コード検知モード]をSequencerにする(オフにすると何故か和音が出ない事がある)。
- [設定]-[キャリブレーション]で[コード検知タイム]を1msにする。まあマニュアルにある通り25msのままにして、MIDIタイミングを-25msにするというのでも良いと思いますが、私の場合はWAVE書き出しした後、そのWAVEの再生タイミングを-1msに設定しました。
- [設定]-[ビブラート]で[コントロールモード]をCCにする。
- これでCC28で強さ、CC29で速度を制御できるようになります。
- [設定]-[ビブラート]で[マックスストレングス]と[マックスフェード]を好みの数値に変える。
- [設定]-[演奏技法]で[ピッチベンドレンジ]を12とかにしておく。
- ELECTRI6ITY付属のEffectsを使わない場合はEffectsタブでONになっているところをすべてOFFにし、Outputつまみをちょっと大きくする。その音をVST Amp Rackに突っ込む。
あとはアーティキュレーション(入力モード)を好きなものを選んでベロシティで変化を付けていけばミュートとサスティンを簡単に切り替えながらジャカジャカ演奏したりできます。
ただ、どうもCC28でのビブラートの掛かり具合が演奏するたびに変わるようなのです。
ヒューマナイズのせいかと思い、設定ページでいろいろいじってみたのですが、それらしき項目は見当たりません(回避策をご存知の方募集)。
他にも、プロジェクトを開いた時にKONTAKT4は起動しているものの、中のギター音源がロードされないなんて事が何度か起こりました(また設定しなおすハメに)。
メモリ不足が原因でしょうかね?
Cubaseで打ち込んでいて気になったのはピッチベンドの打ち込みがし辛いという点です。
0にスナップしたり12段階のどこかでスナップしたりする支援機能が見当たりません。
この辺はMIDIの打ち込みでは当たり前の機能だと思っていただけに(しかも高額なソフトのくせに)付いていないというのが非常に残念です(逆に言えばこういう使いづらさがDominoの需要を生み出しているんでしょうかね。)
ひと通り打ち込み終わったら、ELECTRI6ITYから出た音をモノラルでWAVE書き出します(VST Amp Rackは通さない)
初音ミクの打ち込み
次はボーカルです。
Rewireは重いとの噂だったため、VOCALOID2 EDITORでそのまま打ち込み始めました。
さすがにベタ打ちだと音痴になってしまうため、しゃくりあげる部分は母音と子音を別ける、繋がってほしくない所は別トラックにする、の2点のみ調整を行いました。それだけやれば、結構普通に歌ってくれます。
WAVE書き出しして終わりです。
(ノーマルミクさんの声の方が好きなので今回はミクアペンドの出番は無しでした)
ミックス
SC-88Proのような環境で長年打ち込みをやってきた身としては一番苦手なのがミックスだと思います。
(SC-88ProはトラックごとにEQやコンプが使えず、ボリュームのみで調節するしかありませんでした。そのため、EQやコンプは全くといっていい程経験値が無いのです。)
WAVE書き出ししたギターやミクさんを新しいトラックへ追加します。
FXチャンネルトラックとしてリバーブ(REVerence)を追加し、各チャンネルからセンドしてあげます。
(HALionなど、インスト側でリバーブが掛かっているものは、すべてオフにします。)
チャンネル事にEQを使って要らない帯域をカットしたりフェーダーを弄ったりして調節します。
ミクさんは音が小さいのでマキシマイザーででっかくしておいて、DeEsserで「し」や「つ」などの歯擦音を削り、ディレイやリバーブを掛けます。
ギターアンプはすべてVST Amp Rackを使いました。
ただ、このVST Amp Rackは一癖ありまして、何故かプロジェクトを開き直すと出音(音量やEQ具合)が変わる現象が何度か起きました。また、MASTERのEQのスイッチがオフになっているのにどう聞いてもオンになっている事もありました。不具合でしょうかね。
そういえば、FLStudioの頃から気になっていたのですが、アンドゥで戻らないパラメータが多くて困りました。フェーダーをちょっと動かしてみて失敗したなと思っても、アンドゥで戻せないのは結構不便ですね(アンドゥ出来るようになったらなったで、不便になるケースもありそうですが)。
マスターの所にマルチバンドコンプレッサーを突っ込んだりしてみたりして、音圧を上げてみようと思った事もありますが、音のバランスがぐちゃぐちゃになっただけでした(^^;(あれ使うのは数年早いですね)。
ミックス後半になると、エフェクトの画面を開こうとしたら中身が空っぽになっていたり、しょっちゅうランタイムエラーが出て落ちたりするようになりました。
タスクマネージャを見ても1.3GB程度しか消費していないのでメモリ不足で落ちるのは早い気がするのですが。
一度落ちるとブルースクリーンになって再起動するのにも数分掛かりますし、再起動したらしたでプロジェクト開いたらVST Amp Rackの出音が変わっていたりしてヽ(`Д´#)ノ ムキー!!となることもしばしば(VST Amp Rack通した状態でWAV化した方が良かったかな・・・)。
既存の曲のバランスも聞いてみたりしたのですが皆わりとバラバラなので何が正解なのか判らなくなったりもしました。
そうこうして1週間ぐらい深夜まで調節してなんとか着地点が見えてきました。
で、終わりが見えてきた所でたまたま自分が昔作ったSC-88Pro版を聞いてみると、今ミックスしているものとL-Rが逆になっている事に気が付きました。ちゃんと当時耳コピに使った8cmシングルCDと同じCDを使って耳コピしているのに、です。試しにアルバム「Baby Blue Eyes」の同曲を再生したら昔と同じL-Rで再生されました・・・(外付けドライブでも同じ結果に)。ということはですよ、DELL内蔵のDVDコンボドライブは8cmCDを再生するとL-Rが逆になるってことですよΣ(゚д゚lll)ガーン そんな馬鹿な話ありますかヽ(`Д´)ノ
まあここは私も大人です。
落ち着いて、波形編集ソフトを使ってチャンネルを入れ替えて終わり☆
・・・とは行きませんでした_| ̄|○
L-Rを逆にするとバランスがおかしくなってしまったのです。ハードウェアとかヘッドフォンとか配線とかで左右の出音が違うんじゃないの?なんて疑いもしましたが、ヘッドフォンを左右逆に付けてもおかしく聞こえるので、つまるところ自分の耳が左右で聞こえ方が違うって事になります。
ただ、こういった話はよくあるみたいで、ブログで書いている方もいらっしゃいました。
http://www.sf2.info/26.html
http://d.hatena.ne.jp/Bushdog/20071229/p1
視力だって左右で違うわけですから聴力だってそりゃあ違いますよね。私の場合は右耳の高音域が左耳に比べて聞きづらい感じでした(加齢のせいもあるかとは思いますが)。とうとう自分の耳も信じられなくなり何が正解なのかが更に判らなくなってきましたが、一応もう一度調整をし直して(ここでもやっぱり何度かブルースクリーンになるわけなのですが)深夜までミックス作業は続きました。
さすがに何度もブルースクリーンになったり聴力の衰えを実感したりすると精神的にきついので、納得のいくレベルに達した所で完成ということにしました(まだアラは多々ありますが)。
終わりに
かなり曲制作以外の所で苦労が耐えなかったのですが、SC-88Pro版よりはだいぶ良くなったんじゃないかと思います。ミクさんもちゃんと歌ってくれていますし、ギターも(打ち込み臭はまだ残っていますが)かなりマシになったと思います。SC-88Proの頃は再現出来なかった間奏でのフランジャーっぽいエフェクトも結構似せることができましたし。
あとはソフトの動作が安定してくれると今後曲作りが楽しめるのですが、これはもう少しPCに投資しないとどうしようも無いでしょうかね。