先日、MFCにてアクセラレータキーが場合によって効かなくなるという症状を書いたのですが、一応自己解決いたしましたので、報告します。
(解決案をくださったAOIさん、Thanx!)
そもそもの原因は「TranslateAccelerator」というAPIの仕様とMFCの相性が悪いことにあります。 TranslateAcceleratorはキー入力をメニューコマンドへ変換するAPIですが、メニュー状態が無効だったら変換(送信)しないという仕様になっています。そのため、 MFCのコマンド更新ハンドラで pCmdUI->Enable(TRUE); となっていても、メニュー状態が無効ならば、ショートカットキーは使えません(深い場所のメニューコマンドは)。
ちなみに浅いコマンドが効くようになったことについては、少し憶測ですが書いてみますね。 TranslateAcceleratorの仕様として、キー→メニューコマンド直前(?)に WM_INITMENUなどのメッセージを送信してきます。そのメッセージをMFCフレームワークが掴み、メニューコマンドを「コマンド更新ハンドラ」を使って更新し、最新の状態になるため、ショートカットが効いたのだと思われます。
(ルート直下のメニューコマンドしか更新しません)
さて、深い位置のメニューコマンドを効かせるために、まず思いつくのが、「メニュー状態を更新する」という方法です。しかしいつ更新してよいのかわかりません。毎回キー入力(またはTranslateAcceleratorが送信してくるWM_INITMENUなど)でメニューコマンド全ての状態を更新することは負荷となりパフォーマンスの低下に繋がることは目に見えています。
で、私が使用した解決方法は、以前ちょろっと書きましたが、アクセラレータ処理を「TranslateAccelerator」を使わず自前で実装するという事です。もともとEDGE2はショートカットキーのカスタマイズに対応しており、キーの設定をリソースではなく、通常のデータ(謎)として持っているため、WM_KEYDOWNやらWM_SYSKEYDOWNメッセージを捕まえて、メニューコマンドへ変換し、SendMessage(WM_COMMAND・・・);しています。幸い、MFCはコマンドを実行する直前でコマンドUI更新ハンドラを呼び出して、コマンドを実行可能か調べているため、例えば「実行出来ないはずのメニューコマンドを実行する」というような事も起こりません(コマンド更新ハンドラでEnable(FALSE)となっているとwarningはTRACEされますが^^;)。
現在公開しているEDGE2β版では既にこの方法で実装しています。今のところ問題も出ていませんので、おそらく大丈夫かと思われます。