仕事で開発を行っていると、他の人がエクセルファイルでデータ資料を作り、プログラマがその情報をアプリに組み込む、なんて事がよくあります。
一度CSVに書き出してからプログラムでそれを読み、使いやすいデータ(XMLやCのソース)にコンバートして利用するのが定石かと思いますが、エクセルファイルを直接読めればCSVに書き出す手間が多少軽減されます。
(そもそもVBAでコンバート処理書いちゃうという人は尊敬されれば良いと思います)

Visual C++6.0ではよくそういう事をやっていたのですが、Visual Studio 2008 + MFCだとどうやるんだろう?と思いましてちょっとやってみました。

メニューからクラスの追加を実行します。
xls00

「TypeLibからのMFCクラス」を選びます。
xls01

エクセルのタイプライブラリを選び、使うインターフェースを追加して(今回は面倒なので全部追加)完了ボタンを押します。
xls02

ちょっと生成に時間が掛かりますが、ヘッダーファイルが生成されます。
ただ、何故か#import文が入っていて、コンパイル時にエラー(名前の競合)が出てしまうので一括置換でコメントアウトします。
xls03

VC6ではできなかった芸当ですね(ソリューション内一括置換)
xls04

あとはごりごりコードを書けばエクセルの操作ができます。

既存のファイルを開いて、最初のシートのA1のテキストを取得するにはこんな感じになるかと思います。
(Excel 2007使用)

#include "CApplication.h"
#include "CWorkbooks.h"
#include "CWorksheets.h"
#include "CWorkbook.h"
#include "CWorksheet.h"
#include "CRange.h"

void CHogeHogeDlg::OnBnClickedButton1()
	CApplication App;
	if (!App.CreateDispatch(_T("Excel.Application"))) {
		ASSERT(0);
		return;
	}
	App.put_Visible(TRUE);

	CWorkbooks Workbooks = App.get_Workbooks();

	// 既存のエクセルファイルを開く
	COleVariant varNull;
	varNull.ChangeType(VT_NULL);
	CWorkbook Workbook = Workbooks.Open(_T("c:\\hogehoge.xls"), varNull, varNull, varNull, varNull, varNull, varNull, varNull, varNull, varNull, varNull, varNull, varNull,varNull, varNull);

	CWorksheets Worksheets = Workbook.get_Worksheets();
	CWorksheet Worksheet = Worksheets.get_Item(COleVariant((long)1));

	CRange Cells = Worksheet.get_Cells();
	CRange Cell = Cells.get_Item(COleVariant((long)1), COleVariant((long)1)).pdispVal;
	CString str = Cell.get_Text().bstrVal;
}

CRange::DialogBoxとかいう関数でコンパイルエラーが出ますが関数名変えるなどして回避します。

当然ながら実行する環境にエクセルがインストールされている必要があります。
また、使用したタイプライブラリと実行時のエクセルのバージョンが違うと、うまく動かない事があるかもしれません。うろ覚えですが。上位互換はあるかも?

もしいろんな操作をやりたい場合、エクセルのマクロのヘルプが参考になると思います。若干関数名は違いますが、構造などはほぼ同じです。

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